講演内容
昨今の建設構造物に求められる要求の多様化に対して,鋼・コンクリート複合構造物が注目され,近年,増加の傾向にあります.複合構造は異種材料を積極的に併用し,互いの短所を補い長所を活かす形で合理的な構造物を目指す構造形式であり,土木分野でも多く採用されてきています.一般に,土木構造物における「複合構造」は,抵抗断面内で異種材料を合理的に組み合わすことにより構造部材や構造要素の力学的性能において合成効果を利用し抵抗能力の向上を期待する「合成構造」,異種材料からなる構造部材や構造要素どうしを合理的に組み合わせ,構造システムとしての性能向上を期待する「混合構造」という2種類の構造の総称ですが,それが目指すところは多様性に対応した構造システムの最適化です.このような複合構造物においては,異種材料間,あるいは異種部材間の接合部における力学的性状が構造物の挙動を支配することになります.場合によっては構造的弱点ともなりうるこのような接合部の構造システムの中でのマクロ的な役割や性能とそれを担保するためのミクロ的な構造詳細を関連づけるためには,接合部の力学を把握する必要があります.講演では合成構造における接合材,混合構造における接合部位を対象として,力の伝達の機構やそのモデル化についての大谷自身の研究をはじめ関係する研究の現状と動向を紹介するとともに,今後の展望や課題について論じる予定です.
参加希望者は,氏名,所属,Eメール,電話番号,ファックス番号を明記のうえ,下記宛EメールかFAXでお申し込みください(なるべくEメールをご利用ください).
Eメールでお申込の場合は,「件名」を「第3回技術講習会参加申込」としてください.<申込先>
鈴木 壽(徳島大学工学部建設工学科地盤工学研究室)宛
Email suzuki@ce.tokushima-u.ac.jp FAX 088-656-7347